子供の応急手当
子供のやけど
1)子供のやけど
子供の場合、皮膚も薄いですし、やけどの範囲が広いと、ショック状態になり命の危険にもなりかねません。子供がやけどした時は、周囲で判断するのではなく病院で治療してもらいましょう。子供のやけどを予防するには、やけどになる可能性のものから子供を遠ざけることが大切です。寒い冬にはつい子供に湯たんぽや電気毛布、カイロを与えたくなりますが、これは低温やけどの原因でもあるので、十分に注意してください。
2)やけどをした時の応急処置
やけどはとにかく患部を流水で冷やすことが大切です。時間は15~30分程度が目安ですが、冷やしすぎると低体温症になってしまうこともありますから、注意が必要です。流水で冷やせない部分の場合は、清潔な濡れタオルで何回も冷しましょう。明らかに広範囲・重度の”やけど”の場合は、患部を清潔なタオルで覆ってすぐに病院に行ってください。
3)衣服は無理やり脱がない、脱がせない
衣服を着ている部分に熱湯をかぶってしまった場合などは、衣服を着たまま流水で冷やすようにしてください。無理に衣服を脱がそうとすると”やけど”部分の皮膚も一緒にはがれてしまうことがあります。
熱性けいれん
かぜなどのウイルス感染症で高熱が出たときに、短時間の全身けいれんを起こす、乳幼児期に特有な神経の病気です。
15人に1人くらいの子どもが熱性けいれんを経験するといわれており、子どものけいれんの原因で一番多いものです。
脳波検査などでも異常はなく、学齢期になるまでに自然に治ってしまいます。
注意すること
・体を揺すったり大声で呼んだりしない。
・口にタオルを入れるのは、窒息の危険があるので禁物。
・吐いたときに窒息しないよう、顔を横向きにし、できるだけ静かに寝かせる。
・けいれんが長く続く場合や、けいれんがおさまっても意識が回復しない、呼吸がおかしい場合には、すぐに救急車を呼ぶ。
のどに何か詰まった
1)背部叩打法(はいぶこうだほう)
1歳未満の子は、うつぶせにした体を片腕に乗せ、指であごを支えます(1歳以上の子であれば、膝を立て、太ももに子のみぞおちを圧迫するように乗せてもよい)。頭を体より低く保ち、手のひら全体で、肩甲骨と肩甲骨の間を、異物が取れるまで強くたたきます。
2)腹部突上げ法
子供(1歳以上)の背後から腕を回し、片方の手で握り拳をつくり、へその上方(みぞおちより十分下方)に当てます。他方の手で握り拳を握り、すばやく手前上方に向かって圧迫するように突き上げます。
異物を飲み込んだ
誤飲は子供に多い事故です。
無理に吐かせたり、水や牛乳を飲ませたりしないで、何を飲み込んだか確認してから対処しましょう。
(1)意識障害がある。
(2)けいれんを起こしている。
(3)灯油、ガソリンなど揮発性の液体や強酸、強アルカリの誤飲
(4)ボタン型電池の誤飲。
(5)血を吐いた。
(6)とがったものの誤飲。
出血した
きれいなハンカチやガーゼなどを傷口に当て、手で圧迫する。
大きな血管からの出血の場合、片手で圧迫しても止血できないときは、両手で体重を乗せながら圧迫止血をする。
骨折した
1)骨折の見方
・激しい痛みを訴えている。
・腫れたり変形したりしている。
・傷口から骨の端が出ている。
2)固定処置
患部を確認してから、骨折部分を固定します。身近なもので副子として使えるものがあればそれを利用します。
ダンボールや雑誌、傘、そえ木などの硬いものを用意し、患部の関節の上と下が隠れる長さのものが適当です。
副子と患部を三角巾やネクタイ、包帯など長いもので結んで固定します。変形しているときは、無理に伸ばしたりせずそのまま固定します。
鼻血が出た
子供を抱っこするか座らせ、頭を少し下げて鼻をつまむように押さえる。
鼻のまわりを冷たいタオル等で冷すと、血管が収縮してより止血しやすくなる。
あおむけに寝かせると血がのどに流れ込み、吐いてしまうことがあるので注意。
やってはいけないこと
首の後ろをたたいて出血を止める。出血が止まりやすくなるわけではない。
ティッシュペーパーなどを鼻に詰める。取り除くときに再出血することがある。
熱中症
直射日光の当たる場所や気温、湿度が高いところで長時間遊んでいて、急にぐったりして元気がなくなった場合は熱中症が考えられます。また、気温や湿度、風通しなどの環境因子のみならず、冷房のない暑い室内や車内でも生じます。
顔色が悪く、冷や汗が出る、血圧が下がる、脈が速くなるなどの症状が見られますが、通常体温は上昇しません。
意識障害がある、高体温であるなどの症状は直ちに119番通報し、救急隊が到着するまで冷却を続けます。
一方、重度の熱中症は体温の調節ができなくなり、皮膚は紅潮して体温は40度以上になりますが、汗をかきません。手当てが遅れると、全身の臓器障害により死亡することもあるので、一刻も早く医療機関で受診します。
現場での手当て
急に冷房の効いた部屋に入るより、まず木陰の涼しいところに移動し、衣服をゆるめ、あおむけで上半身をやや高めに寝かせ安静にする。
・皮膚が冷たかったり、震えていたりする場合は、タオルなどで皮膚をマッサージし、血行をよくする。
・乳幼児用のイオン飲料や薄い食塩水(500mlの水に食塩5gを加える)を飲ませる。
・水分を受け付けず、意識がもうろうとしている場合は、救急車を呼び、すぐに受診する。
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