「着衣着火」をご存知ですか?

ページ番号1001736  更新日 2019年4月23日

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調理中に衣服が燃えて大やけど!「着衣着火」は大変危険です

衣類の袖にコンロの火が着火

あまり聞き慣れない言葉ですが、調理中のガスコンロの火や仏壇のろうそくの火などが、「今着ている服」についてすぐに燃え上がる現象を「着衣着火」と言います。
衣類の袖口などから着火する場合が多く発生していますが、腹部などから燃え出すと大変危険で重度のやけどや死亡にまで至ることが非常に多くあり、大変恐ろしい現象です。「着衣着火」は、ちょっとした不注意で誰にでも起こりうる現象でありますが、大変危険であるにもかかわらず、意外と知られていない現象です。

平成25年版消防白書によれば、24年中における住宅火災による死者のうち、放火自殺者を除く1,016人を着火物別で分類すると、第1位が寝具類で142人(14.0%)、続いて衣類が93人(9.2%)となっており、死者防止対策としての着衣着火への対応の重要性が判ります。
毎年、着衣着火によって全国で100名前後の方がお亡くなりになっている中でも、高齢者の割合が著しく高く、その原因として高齢化による判断力や運動機能の低下に加え、火が見えにくくなることが要因のひとつであるようです。
特に青色系の色が分かりにくくなる傾向があり、白内障になると、この傾向が更に強まりますので、高齢者の火の取り扱いには十分注意が必要です。

フラッシュ現象

生地の表面が起毛している場合など、生地が空気を含んで燃えやすい状況になっているときに発生しやすく、特に、表面に綿・レーヨンなどの毛羽のあるものは十分に注意しないと簡単に着火します。このように、わずかな炎の着火で短時間に衣類の表面を火が走る現象を「表面フラッシュ現象」と呼びます。

 

着衣着火をおこなさいために!

一般的な注意点

  • 衣服に火が燃え移ると、重度のやけどや死亡事故にもつながるということを理解しておくことが大切です。
  • 身体機能が衰えている高齢者や注意力に欠ける子どもに対しては特に周りの人が十分気をつけてください。
  • 屋外で何かを燃やすときは、特に注意が必要です。風のある日などは、着衣に着火しやすく、着火すると、すぐに燃え広がり重度のやけどになり大変危険です。

具体的な注意点

  • 袖口に火が付くケースが多いので、特に調理するときは、燃えにくい防炎加工されているエプロンやアーム(腕)カバーなどを着用しましょう。
  • 火を扱うときは、袖や裾が広がっている服は着火しやすいので避けましょう。
  • ガスコンロの奥には調味料などの手に取る物を置くのはやめましょう。
  • ガスコンロの手前の火口に火がついていて、コンロ越しの作業は大変危険です。必ず火を消してから行いましょう。
  • 電気ストーブも近寄りすぎて重症なやけどを負った例もあり、直接炎が見えないからといって油断は禁物です。
  • 花火をする時は、花火の火やローソクの火が衣服につかないように注意しましょう。
  • 高齢者や子どもには、燃えにくい防炎製品の衣服(特にパジャマなど)の着用を考えましょう。
  • 新しく調理器具を購入するときは、例えば、電気式の調理器などを選ぶこともよいでしょう。
     

 

もしも「着衣着火」してしまったら!

衣服に火が着いた場合には、手ではたいて消すことは困難です。 

すぐに水をかぶって火を消してください。水道の水、流しの洗い桶の水、浴槽の水、花瓶の水、飲み物など近くにある水を火にかけてください。
身辺に水がない場合は、走り回らないでその場に転がって、燃えているところを地面におしつけて消火してください。走ると、かえって火の勢いを大きくしてしまいます。
倒れることで顔の前に火が上るのを防ぐ効果もあります。 衣服の火が消えたら、すぐに消防署(119番)へ通報してください。

やけどをしてしまったときは、水道の流水で冷やしてください。救急車を呼ぶ必要がある場合は119番へ通報して到着するまでそのまま冷やし続けてください。
 

全国的な主な事故事例

  • 事例1 仏壇のローソクの火をつけたまま供えたご飯を下げようとした際に袖口に着火した。
  • 事例2 ガスコンロで調理中、ガスコンロに近付いたところ、ガスコンロの炎が衣服の袖口に着火した。
  • 事例3 幼児が手持ち花火をしていたところ、手持ち花火がワンピースの裾に着火した。
  • 事例4 電気ストーブに衣服が接触し着火した。
  • 事例5 電気ストーブをつけたまま寝ていて、輻射熱によりパジャマに着火した。
  • 事例6 たばこを吸おうとしてライターに火をつけたら、首に巻いていたスカーフに着火した。
  • 事例7 たき火で暖を取っている最中に、火が風であおられて衣服に着火した。

           ※事例の中には、死亡事故に至った例もあります。

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